便宜供与管理方針

第1条(目的)

  1. 本方針は、保険会社向けの総合的な監督指針(以下「監督指針」という。)Ⅱ-4-2-9(6)および同Ⅱ-4-2-12、保険業法、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(以下「金融サービス提供法」という。)その他関係法令等の趣旨を踏まえ、当社における便宜供与の適正な管理に関する基本的事項を定め、もって顧客本位の業務運営の徹底および公正な競争秩序の維持に資することを目的とする。
  2. 本方針は、一般社団法人日本損害保険協会(以下「損保協会」という。)が策定した「損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン」(以下「便宜供与適正化GL」という。)および「損害保険会社からの出向者派遣に係るガイドライン」(以下「出向GL」という。)の趣旨を踏まえ、代理店側の自律的な管理態勢を整備するものである。

第2条(定義)

本方針において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

  1. 「便宜供与」とは、保険会社が保険代理店等に対して行う、物品・サービスの購入、役職員による役務提供、金銭供与・費用負担、顧客等の紹介、物品等の販売・貸与その他の経済的利益の提供をいう。
  2. 「過度の便宜供与」とは、顧客の適切な商品選択の機会を阻害するおそれのある便宜供与をいい、以下のいずれかに該当するものをいう。
    ア 自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引する便宜供与(以下「約定する行為」(ニギリ)および「達成基準を課す行為」(ノルマ)を含む。)
    イ 実質的に自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引する便宜供与
  3. 「約定する行為」(ニギリ)とは、便宜供与の実績に応じて、当該保険代理店等において保険契約数や保険引受シェアの調整が行われる場合をいう。便宜供与等の金額・数量等から挙績の配分が定量的に算出可能な約定のほか、その結果が挙績の配分につながることを相互に認識したうえで、便宜を図ることを持ち掛けたり、または提供する行為や求めたりする行為も「約定」が行われているものとみなされる。
  4. 「達成基準を課す行為」(ノルマ)とは、物品等の販売数量の目標設定や購入数量の割当て等が行われる場合をいう。便宜供与等の金額・数量等を割り当てたり目標を設定したりすることは、それを保険会社と当社のどちらが持ち掛けたかに関わらず、また、実際にそれが達成されたかどうかを問わず、明確に断らずに対応していた場合に「達成基準を課す行為」が行われているものとみなされる。
  5. 「保険代理店等」とは、保険代理店のほか、保険募集人である保険代理店の役員または使用人や、当該代理店と人的または資本的に密接な関係を有する者(親会社、子会社、関連会社等)、主要な取引先および代理店の代表者等の親族が経営する企業等を含む。

第3条(適用範囲)

  1. 方針は、当社の代表者、役員および全ての使用人(保険募集人を含む。以下「役職員等」という。)に適用する。
  2. 本方針は、当社が所属する全ての保険会社との間における便宜供与に関する行為に適用する。なお、専属代理店であっても、当該保険会社の専属を維持する目的等をもって過度の便宜供与を受けることがないよう、適切な措置を講じなければならない。

第4条(基本原則)

当社は、顧客の最善の利益を勘案し、誠実かつ公正に業務を遂行する義務を果たす観点から、以下の基本原則を遵守する。

  1. 保険会社に対して過度の便宜供与を求めないこと。
  2. 保険会社等から過度の便宜供与を受け入れないこと。
  3. 便宜供与の実績に応じて、所属保険会社間の保険取引の調整を行わないこと。
  4. 宜供与等の見返りとして、特定の保険会社の商品を優先的に推奨しないこと。
  5. 便宜供与等の金額・数量等に関し、保険会社との間で「約定する行為」(ニギリ)を行わないこと。
  6. 便宜供与に関し、保険会社に対して「達成基準を課す行為」(ノルマ)を行わないこと。
  7. 顧客の適切な商品選択の機会を確保し、比較推奨販売の適切性を担保すること。
  8. 所属保険会社が策定している便宜供与に関する規定等(保険会社社員による代理店業務の代行、保険会社からの出向者派遣および政策保有株式に関する規定を含む。)に従い、適切に対応すること。

第5条(過度の便宜供与に該当する行為)

  1. 自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引する便宜供与は、過度の便宜供与に該当する。具体的には、以下の各号に掲げる行為をいい、当社の役職員等がこれを保険会社に対して求め、または保険会社から受け入れてはならない。
    • (1) 「約定する行為」(ニギリ):便宜供与等の金額・数量等に応じて挙績の配分に関して約定する行為(明示的であるかどうかを問わない。)。便宜供与の実績に応じて、当社において保険契約数や保険引受シェアの調整が行われる場合がこれに該当する。
    • (2) 「達成基準を課す行為」(ノルマ):物品等の販売数量の目標設定や購入数量の割当て等が行われる場合(明示的であるかどうかを問わない。)。便宜供与等の金額・数量等を割り当てたり目標を設定したりすることは、保険会社と当社のどちらが持ち掛けたかに関わらず、また、実際に達成されたかどうかを問わず、明確に断らずに対応していた場合にこれに該当する。
  2. 前項に定める行為は、保険代理業以外への便宜供与であるか保険代理業への便宜供与であるかを問わず、一切禁止する。

第6条(過度の便宜供与に該当しうる行為)

  1. 以下の各号に掲げる行為は、実質的に自社の保険商品の優先的な取扱いを誘引するものとして、過度の便宜供与に該当しうる。当社の役職員等は、これらの行為を保険会社に対して求め、または保険会社から受け入れてはならない。
    • (保険代理業以外に関する便宜供与)
    • (1)保険会社の役職員が、保険代理店等から他の保険会社の購入実績との比較を提示されるなどの黙示の圧力を受けたことを背景として、社内で数量等の報告や取りまとめを伴う物品の購入をあっせんする行為
    • (2)保険代理店等が主催するイベント等において、保険会社の役職員等が保険業と関連性の低い役務を提供する形で参加・協力する行為
    • (3)保険代理店等が主催するイベント等において、保険会社の役職員等が休日や業務時間外に参加・協力する行為
    • (4)本来は保険代理店等が負担すべき費用を保険会社が負担する行為、または保険代理店等が自らの責任において行うべき業務に対し保険会社が役務を提供する行為
    • (5)保険代理店等の求めに応じ、役務の対価としての実態がない、または保険会社もしくは保険代理店等において対価性の検証が困難な業務委託費、協賛金、商標使用料、広告費用等の金銭を拠出する行為
    • (保険代理業に関する便宜供与)
    • (6)保険会社が本来当社が負担すべき費用を負担することを受け入れる行為(オーバーコミッション)
    • (7)当社が自らの責任において行うべき募集業務に対し、保険会社の役職員が恒常的(反復・継続的)に役務を提供(いわゆる社員代行を含む。)することを受け入れる行為
    • (8)保険会社からの出向者について、顧客の適切な商品選択の機会を阻害するおそれのある役割・権限を担わせること
  2. 前項各号に定めるもののほか、実質的に特定の保険会社の保険商品の優先的な取扱いを誘引すると判断される行為についても、過度の便宜供与に該当しうるものとして禁止する。
  3. 第①項各号に掲げる行為に該当するか否かの判断にあたっては、第7条に定める判断基準に照らし、総合的に判断するものとする。

第7条(過度の便宜供与に該当するか否かの判断基準)

  1. 保険代理業以外への便宜供与が過度のものであるか否かについては、便宜供与適正化GLに示された以下の4つの基準に照らし、総合的に判断するものとする。
    • (1)必要性:損害保険会社における業務運営上、または社会儀礼として、必要性が認められるか。
    • (2)適正性:価格・数量・頻度・期間の適正性が認められるか。反復・継続的になっていないか。
    • (3)公平性:保険代理店間の公平性が認められるか。
    • (4)合理性:社会通念等に照らして客観的な合理性をもって(保険契約者、さらには社会に対して)説明できるか。
  2. 保険代理業への便宜供与が過度のものであるか否かについては、以下の4つの基準に照らし、総合的に判断するものとする。
    • (1)必要性:代理店委託契約書や損害保険会社の規程・ガイドライン等に照らし、委託元である損害保険会社としての業務運営上の必要性があるか。
    • (2)適正性:その頻度・期間が過度のものとなっていないか(反復・継続的になっていないか)。
    • (3)公平性:特定の保険代理店への対応に偏っていないか。
    • (4)合理性:不合理なものとなっていないか(代理店による主体的な関与がなく、代理店の自立化を阻害していないか)。
  3. 判断に迷う場合には、所属保険会社に相談するものとする。

第8条(確認・検証)

保険会社からの出向者の受入れについては、出向GLを踏まえ、以下の事項に留意するものとする。

  1. 出向者が、当社において、顧客等の同意なく代理店等の顧客情報等を出向元に共有するおそれが生じないよう、個人情報保護法、不正競争防止法および独占禁止法等の関連法令の遵守を徹底すること。
  2. 出向者に対し、保険契約の幹事や保険料シェアを決定する役割、または保険に関するソリューションの提案(提案する損害保険会社の選定を含む。)や保険募集実務を専ら担う役割を担わせないこと。
  3. 出向者の担当職務・権限が、出向元保険会社の保険商品の優先的な取扱いを誘引するおそれがないか確認すること。
  4. 出向の目的が、顧客企業との関係強化や保険契約の幹事・保険料シェアの維持獲得ではなく、「顧客本位の業務運営の構築」に資するものであることを確認すること。
  5. 出向に伴い、個人情報の不適切な共有等のリスクが生じないよう、適切な管理体制を整備すること。

第9条(留意すべき代表的な行為類型)

  1. 保険代理業以外への便宜供与に関して、以下の行為類型について特に留意し、第7条第①項に定める判断基準に照らして適否を判断するものとする。
    • (1)損害保険会社が保険代理店から物品等を購入・賃借する行為(例:社有車の購入、オフィスの賃借等)
    • (2)損害保険会社が保険代理店へ物品等を販売・貸与する行為(例:会議室の貸出し、備品の供与等)
    • (3)損害保険会社が保険代理店へ顧客等を紹介する行為(例:顧客の紹介、役職員への物品購入の斡旋等)
    • (4)損害保険会社が保険代理店等へ役務を提供する行為(例:イベントへの協力、役職員の派遣等)
    • (5)損害保険会社が保険代理店から役務を受領する行為(例:広告契約の締結、工事の発注等)
    • (6)損害保険会社が保険代理店等へ金銭供与・費用負担する行為(例:協賛金の支出、費用の肩代わり等)
  2. 保険代理業への便宜供与に関して、以下の行為類型について特に留意し、第7条第②項に定める判断基準に照らして適否を判断するものとする。
    • (1)代理店経営支援(例:経営管理に関する戦略策定・提案、戦略指標の管理等)
    • (2)募集人教育支援(例:保険代理店が担うべき範囲の募集人教育を保険会社が実施)
    • (3)マーケットイン/顧客拡大に資する行動(例:商品説明・見積設計・提案行為の代替)
    • (4)照会応答(例:保険代理店が自ら対応せず保険会社に誘導する行為)
    • (5)保険料試算・契約計上・債権管理・契約保全等の業務代行

第10条(教育・管理・指導)

当社は、本方針に沿った健全かつ適切な運営を確保するため、自店に所属する募集人に対し、以下の教育・管理・指導を実施する。

  1. コンプライアンス関連研修等において、本方針の内容を周知し、徹底を図る。研修は年1回以上実施するものとする。
  2. 過度の便宜供与に関する監督指針、便宜供与適正化GL、出向GLおよび想定事例集の内容について、役職員等への理解促進を図る。
  3. 便宜供与に関する疑義が生じた場合の相談体制を整備し、所属保険会社への相談ルートを含め、役職員等に周知する。
  4. 役職員等が便宜供与に関し不適切な行為を行わないよう、教育・管理・指導を徹底する。

第11条(確認・検証)

  1. 当社は、顧客の適切な商品選択の機会を確保するため、以下の確認・検証を実施する。
    • (1)過度の便宜供与を求めたり、受け入れたと懸念される事態が確認される場合には、自店の比較推奨販売が適切に行われているか確認・検証する。
    • (2)自店の比較推奨販売に不適切な点が確認される場合には、保険会社からの便宜供与による影響がなかったか、確認・検証する。
    • (3)確認・検証にあたっては、過度の便宜供与が疑われる行為のあった時点を基準としつつ、取扱保険会社のシェア変動など有意な変化がなかったかを確認・検証する。
    • (4)保険会社からの出向者の受入れにより、お客さまの適切な商品選択の機会を阻害していないかを含めて確認・検証する。
    • (5)役職員等が便宜供与に関し不適切な行為を行っていないか確認する。
  2. 前項の確認・検証にかかるシェア変動等の情報については、保険会社への提出は不要とする。

第12条(経営陣における評価・対応の検討)

当社の経営陣(店主・保険部門責任者等)は、前条の確認・検証結果を踏まえ、以下の評価・対応の検討を行う。

  1. 過度の便宜供与の有無に関する評価を行い、その結果を記録する。
  2. 過度の便宜供与が認められた場合には、解消に向けた対応策を検討し、決定する。
  3. 評価結果および対応策の決定内容を、必要に応じて関係する所属保険会社に報告する。

第13条(解消措置および改善に向けた態勢整備)

自店の比較推奨販売への影響が生じていると認められる場合、当社は、以下の解消措置および改善に向けた態勢整備を実施する。

  1. 影響を受けた比較推奨販売の是正措置を速やかに実施する。
  2. 再発防止策を策定し、役職員等に周知する。
  3. 本方針の見直しの要否を検討し、必要に応じて改定する。
  4. 改善措置の実施状況について、定期的にフォローアップを行う。

第14条(便宜供与管理責任者)

当社における便宜供与管理体制は、以下のとおりとする。

  1. 便宜供与管理責任者:島光隆
  2. 便宜供与管理責任者は、本方針に基づく過度の便宜供与の判断・管理に関する最終的な判断を行う。
  3. 便宜供与管理責任者は、役職員等からの報告・相談に対し、適切な指示・助言を行う。
  4. 判断に迷う場合は、所属保険会社のコンプライアンス部門等に相談するものとする。

第15条(記録の作成・保存)

当社は、便宜供与に関する以下の記録を作成し、適切に保存するものとする。

  1. 便宜供与に関する判断の記録(判断基準に照らした検討過程を含む。)
  2. 第11条に基づく確認・検証の記録
  3. 第12条に基づく経営陣の評価・対応の記録
  4. 第10条に基づく教育・研修の実施記録

第16条(不明点の相談先)

  1. 本方針の解釈や便宜供与の該否について不明点がある場合には、島光隆に相談すること。
  2. 便宜供与管理責任者においても判断が困難な場合には、所属保険会社に相談するものとする。

第17条(準拠法令等)

本方針は、以下の法令およびガイドライン等に準拠する。

  1. 保険業法(昭和7年法律第41号)第100条の2、第294条の3、第294条
  2. 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)第2条第1項
  3. 保険会社向けの総合的な監督指針(金融庁)Ⅱ-4-2-9(6)、Ⅱ-4-2-12
  4. 保険業法施行規則第227条の2第3項第4号
  5. 損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン(一般社団法人日本損害保険協会 2025年9月5日制定)
  6. 損害保険会社による便宜供与適正化ガイドライン(別冊)想定事例集(一般社団法人日本損害保険協会 2025年9月)
  7. 損害保険会社からの出向者派遣に係るガイドライン(一般社団法人日本損害保険協会 2024年9月17日制定、2025年9月18日改定)
  8. 募集コンプライアンスガイド(一般社団法人日本損害保険協会)
  9. 独占禁止法、不正競争防止法、個人情報保護法その他関係法令

第18条(改廃)

  1. 本方針の改廃は、便宜供与管理責任者が行い、改定の際は速やかに役職員等に周知するものとする。
  2. 関係法令、監督指針またはガイドライン等の改正があった場合には、速やかに本方針の見直しを検討する。

附則

本方針は、令和8年6月5日から施行する。

以上

ページトップへ